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国頭村奥集落の伝統行事「ビーンクイクイ」

国頭村奥集落には「ビーンクイクイ」という長寿の男性を棺桶に入れて担ぎ集落内を練り歩く、奥集落のみで受け継がれる伝統行事があります。

 

 

高齢の男性を棺桶に入れて担ぐ

豊年祈願の年中行事シヌグ。シヌグは沖縄本島とその周辺離島、また鹿児島の奄美群島の一部で行われ、国頭村の安田集落のように1978年に国の重要無形民俗文化財に指定されているものもあります。

シヌグで行われる内容は地域によって異なりますが、沖縄本島最北端の国頭村奥集落では桶に高齢の男性を入れ、そのまま数人で神輿のように担いで練り歩く「ビーンクイクイ」という奥集落だけに受け継がれる変わったシヌグの行事があります。

ビーンクイクイの主役は集落の高齢の男性。籐(とう)の葉っぱで飾られた桶の中に男性が入り、数人で神輿のように桶ごと担ぎ上げます。そしてそのまま神輿を上下させながら集落をまわるのです。

 

福よ来い来い、悪よ去れ

シヌグは兄弟ないし男の祭という意味があり、ビーンクイクイでも桶に入るのも、担ぐのも、神輿の前後に行列を作るのも男性の役割だそうです。空手や棒術の演武を先頭に、男性たちが太鼓を打ち鳴らしたり酒甕を担いだりしながら「ビーンクイクイ」「エイヤーサー」の掛け声を張り上げます。声と共に神輿は大きく上下します。

語源やはっきりとした意味などは今は誰にもわからないそうですが、「ビーンクイクイ」は福よ来い来い、「エイヤーサー」は悪よ去れという意味が有力だそうです。

桶に入っているのが高齢の男性のため、初めて見ると心配になりますが、現在使われている桶は腰高で長老は座っているものの、昔は立って入る棺桶を使っていたので立ったまま担がれていたそうでもっと過酷だったとか。

 

ビーンクイクイは誇りであり人々の憧れ

棺桶を使っていた解釈はいろいろあるものの、儀式的に棺桶に入ることで天国に一番近い存在になり、これまで人生の荷をおろし、これからは周りの人の幸せを願って生きる神様のような立場になるのではないかという説もあります。

集落の人たちはそんな長老の姿を見て喜び、長寿の恩恵を授かるそうです。

また奥集落の男性にとってビーンクイクイの桶に入ることは長く生きた証であり、とても誇らしいことだそう。この日のために何十年もかけて泡盛の古酒を育て、参加者に振る舞う人もいるそうです。

棺桶を使っていた解釈はいろいろあるものの、儀式的に棺桶に入ることで天国に一番近い存在になり、これまで人生の荷をおろし、これからは周りの人の幸せを願って生きる神様のような立場になるのではないかという説もあります。

集落の人たちはそんな長老の姿を見て喜び、長寿の恩恵を授かるそうです。

また奥集落の男性にとってビーンクイクイの桶に入ることは長く生きた証であり、とても誇らしいことだそう。この日のために何十年もかけて泡盛の古酒を育て、参加者に振る舞う人もいるそうです。